世界に希望を持ちたくなったら

読書は心に効くサプリ

『アーモンド』 著:ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子 祥伝社刊


アーモンド

『82年生まれ、キム・ジヨン』

を読んで以来、気になっているのが、K文学。

 

本書は、韓国ドラマ好きのお仲間から勧められた一冊で、
書店で平積みされていたので、即買い。

2日で一気読みでした。

生まれつき、扁桃体(アーモンド)が人より小さいソンジェ。
自分の喜怒哀楽の感情がわからず、人の感情への共感ができない少年、ソンジェ。

彼の身には過酷な運命が待ち受けていたのですが、その悲しみや理不尽も感じることが
できないのです。

そんなソンジェの前に、感情溢れるゴニやちょっと気になる少女ドラなどの同世代の友人、
ゴニの父親のユン教授、ソンジェの保護者になってくれたシム博士などの大人が、次々と
現れます。

私たちは、「共感」という言葉を使いたがります。
ソンジェは「共感」ができない子どもです。

でも、私たちは、「共感」の意味をわかっているでしょうか?
本当に他人に「共感」していると言えるでしょうか?

ソンジェの言葉に考えさせられます。

ソンジェは少しずつ変わっていきます。
それを私たちは「成長」と呼ぶのでしょう。

ソンジェ、ゴニ、ドラたちの未来に希望を託したくなります。

身体の中で涙が生まれる瞬間を感じられる、そんな小説です。

「あやうく一生懸命生きるところだった」

こちらのエッセイも読みたいと思っています。

またシェアします。

 

むつみ

 

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