子どもの頃に「ファーブル昆虫記」に魅せられて、「ファーブルになりたい!」と
決意してから、ポスドクで無収入になろうとも一切ブレない男、コータローさん。
農作物を食い荒らし甚大な被害をもたらす野生のサバクトビバッタ。
その生態観察のために、モーリタニアへ。
どんなに過酷なアフリカでの生活にも、虫さえいれば幸せなんて・・・。
新書にはめずらしいカラー写真の表紙モデルは、著者。
子どもの頃にバッタの大群に女性が襲われ、緑色の服が食べられたという記事を読んで以来、自分もバッタに包まれてみたいと夢見てあつらえた、全身緑タイツの衣裳だ。
フツーじゃない。でも、本人は真剣。
「大好きな昆虫の研究だけをして生きていきたい」
著者の望みはそれだけ。
ただそれだけの望みが、簡単にはかなわない。
サバクトビバッタの大群はあらわれず、研究資金は底をつく。
どうしたらいのか?
一発逆転。
掟破りの「広報活動」が始まる。
「バッタ博士」としてトークショーをする。
テレビにも出る。コスプレも厭わない・・・。
ファーブルを夢みた少年は、そのまま大人になって、やがてアフリカの大地を
サバクトビバッタから救うヒーローになるかもしれない。
読みやすくて面白くて、笑いながら、大事なことに気づかされます。
中高生にも、ぜひお勧めです。
むつみ
コメント