『アーモンド』 著:ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子 祥伝社刊
を読んで以来、気になっているのが、K文学。
本書は、韓国ドラマ好きのお仲間から勧められた一冊で、
書店で平積みされていたので、即買い。
2日で一気読みでした。
生まれつき、扁桃体(アーモンド)が人より小さいソンジェ。
自分の喜怒哀楽の感情がわからず、人の感情への共感ができない少年、ソンジェ。
彼の身には過酷な運命が待ち受けていたのですが、その悲しみや理不尽も感じることが
できないのです。
そんなソンジェの前に、感情溢れるゴニやちょっと気になる少女ドラなどの同世代の友人、
ゴニの父親のユン教授、ソンジェの保護者になってくれたシム博士などの大人が、次々と
現れます。
私たちは、「共感」という言葉を使いたがります。
ソンジェは「共感」ができない子どもです。
でも、私たちは、「共感」の意味をわかっているでしょうか?
本当に他人に「共感」していると言えるでしょうか?
ソンジェの言葉に考えさせられます。
ソンジェは少しずつ変わっていきます。
それを私たちは「成長」と呼ぶのでしょう。
ソンジェ、ゴニ、ドラたちの未来に希望を託したくなります。
身体の中で涙が生まれる瞬間を感じられる、そんな小説です。
こちらのエッセイも読みたいと思っています。
またシェアします。
むつみ
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